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雑誌とケータイに共通すること、しないこと

日本に雑誌は2000種類以上あるといわれ、その中でも週刊誌は30誌程度と言われます。
ケータイのコンテンツは実はネットのコンテンツよりもむしろ雑誌に似ているのです。

どこが似ているかというと・・・

  1. 定期的に刊行(更新)される
  2. 有料で頒布される
  3. 少数の固定客(ニッチマーケット)に向けて制作される
  4. ターゲットを絞り込んだ広告が掲載される
  5. 連載が続くことで単行本化(データベース化)される


というところです。

雑誌というのはターゲットメディアとも言われます。
ある特定のことに興味のある読者に向けて心を射るような特集を組み、連載を集め、紙面を構成していきます。

僕が書店で一番好きなのは雑誌コーナーで、雑誌コーナーに行くと実に様々な工夫や趣向をこらした雑誌が書棚を賑わしています。その様子は活気に満ちていて、とてもウキウキした気分になります。

ところが最近は年々雑誌の部数も落ちてきているようです。
その原因はやはりインターネットの台頭です。

速報性があり、ニッチマーケット向けでしかも無料。
Webサイトは瞬く間に雑誌業界を衰退産業にしてしまいました。

とはいえ雑誌社にも安易にWebへ移行できない事情があります。
単純にビジネスモデルです。

Web広告の場合、雑誌のように「見開きで200万円」みたいなお金の取り方はなかなかできません。
媒体の特性が違うので、どうしてもそうなります。

また、トラフィックを集めるのも一苦労です。
雑誌は流通に流せば書店には一度置いてもらえます。
置いてさえもらえれば、誰かの目に触れて売れる可能性も否定できません。
だから雑誌は号によって売り上げの変動が激しいのです。

雑誌の場合: 固定客 + ジャケ(表紙)買い客 の二重の集客が見込めます。
だから表紙にはさまざまなキーワードが踊り、写真にもひときわお金をかけるのです。

雑誌の表紙のキーワードって、とてもタグクラウドに似ています。
目的とするところは同じです。
みんなが興味を引くようなキーワードは大きく、そうでもなさそうなものは小さく表示されているのです。

ところがWebでは雑誌流通のような便利な仕組みはありません。
ユーザが検索行動を明確に起こすか、普段見ているサイトに広告料を払って誘導してこなければなりません。

さらに、広告料を払って誘導したとしても、Webサイトの収入源はやはり広告なのです。
広告料を払って広告料を得る、というのはいかにもマッチポンプです。

そして常に、広告料を払う相手というのは競合する可能性のあるところです。
だから、競合する媒体にはなかなか広告スペースを売ってくれません。

ということは、広告する場所を探すこと自体にも苦労するということです。
Webの場合、ほとんどの出版社は出遅れているので、気がつくと新興企業においしいところをとられていたりします。

広告だけに依存したビジネスモデルをあくまで適用するとすれば、こういう話もやむを得ないでしょう。
とはいえ雑誌社は生き残らなければなりません。

その点、ケータイサイトは有料コンテンツ配信が基本です。
ニュースなどの公共性の高い情報はともかく、取材機時やレビュー、コラムなど、作り込まれた記事は有料課金できる余地があります。

この辺りが既存のビジネスに似ています。月次で売り上げが立つところも一緒です。

しかし、違うところもあります。

  1. ケータイサイトは陳列されない
  2. 固定客しか相手にできない
  3. 広告収入が少ない
  4. バックナンバーは全て保存できるから単行本ビジネスにならない
  5. サイトの価値が時間経過とともに自動的に高まる


ケータイサイトは、目に見えません。だから「陳列する」ということがまずない。
これはケータイサイトをプロデュースするうえで最も頭を悩ませるところです。
逆にいえばこの部分を突破できれば、他はデメリットをメリットに変えることもできます。

ケータイサイトを陳列することは不可能なので、アフィリエイトや広告に頼るしかありません。
紙媒体をもっている場合は自社媒体から極力誘導するのはもちろんですが、集客に最も効果的なのは、モバイル広告です。

だからどうしても既存のモバイル媒体に依頼して広告を掲載してもらうしかありません。

固定客しか相手にできない、というのはケータイサイトが持つ本質的な問題です。
月額課金制が全盛の時代では、ケータイサイトに加入するというのは、ある雑誌を定期購読するに等しいわけです。

しかしなぜ多くのサイトがこの方式を利用しているかと言うと、とにかく陳列されないからです。
陳列されないから、いくら面白い記事を作っても知ってもらうことができない。

立読みがある程度許容されているのも、それが結局は売り上げ向上につながる場合があるからです。
雑誌は特にそうだと思います。


 「なんだか面白そうなことが書いてあるぞ、あとでじっくり読もう」


という気分になったときに、読者は雑誌をレジに持っていくのです。
逆に言うと、実は雑誌というのは「モバイル化」するためにコストを払うのだとも言えます。

図書館や書店やコンビニで立読みすれば、全部タダで読めなくもないのですが、落ち着かないし、自分の好きな場所で読みたい。家に保管しておいて時々読み返したい。そういうときにこそ雑誌を買うのです。

ケータイサイトの場合は、もともとモバイルですから、そもそもそういうコストというのがありません。
逆に即物的な興味を満たすために買うことになります。

しかし、ケータイサイトの場合、探す前にあきらめる、ということがあり得ます。

例えばクルマがとても好きな人が居たとして、あるとき

 「あーヒマだなあ。クルマ欲しいし、中古車情報でも探すか」

というときにケータイのカーセンサーを探す人と、コンビニに行ってカーセンサーを買う人が居るということです。

でも、残念ながらケータイサイトはとても探しにくい。
たどり着く前にあきらめることも少なくありません。

コンビニに行ってたとえカーセンサーが置いてなかったとしても、Gooあたりを見つけて、「これでいいや」と思うこともあります。

普段コンビ二を歩いていて、何の興味もなくても、あるときふと中古車情報が欲しくなったときに「そういえばあそこに売っていたな」と思い出すのです。

こういう作用がケータイには残念ながらありません。

ひまつぶしにiメニューを上から順番に見る人が居たというのは過去の話です。
今はほとんど見られていません。

興味のあるサイトにはブックマークから一発で飛んでしまいます。
また、紙の雑誌でも既に赤字になっている媒体もいくつかあります。

それでも雑誌を出し続けるのは、単行本によって収益を得るためです。

ところがケータイサイトの場合、単行本という概念がない。
最近でこそケータイコミックや電子書籍が増えてきましたが、少し前までは絶望的なくらいそういうものがありませんでした。

ケータイサイトは同じ300円でも、3年間毎週更新されているサイトの300円と、先週始まったサイトの300円では、値打ちがぜんぜん違うのです。

過去の情報に全てアクセスできるようにしてしまうと、300円で無限に近い過去情報データベースにアクセスできるようになってしまいます。

これはもういっそバックナンバー掲載の有効期限をきってしまって、サイト内で電子書籍にまとめて発行、というスタイルが今後一般化するかもしれません。

どちらにせよ、たとえ「見れる」と行っても、三年前の情報にたどり着くインターフェースなど用意されていないサイトがほとんどです。「次へ」ボタンを100回押さないと見れないのであれば、もはやそれはバックナンバーとして意味を成していません。

このあたり、実にうまくやってのけているのがケータイコミックです。
僕はケータイコミックに月に何万円も使っています。ひとつひとつの話は30円で読めるのですが、ついつい続きが気になって読んでしまうのです。土日など、朝から晩まで読んでしまうこともあります。

単行本なら書店に行って在庫を調べたり、「今日は4巻までにしておくか」などとまとめ買いの算段をしなければなりませんが、ケータイコミックの場合、売り切れということはあり得ないので読みたいタイミングで読みたいだけ読むことが出来ます。しかもかさばらないし、本棚を占領しない。実に理想的な情報媒体だと言えます。

ケータイコミックの収益は、実はいまバカにできない規模になってきています。
印刷費や流通コストがかからないので、利益率がとても高いのです。しかもリスクも少ないので、多様性のある作品をたくさん販売することができます。

このままいくと遠からずケータイコミックがマンガ流通の主流になっていくのは間違いないでしょう。

同様のことが、電子書籍にも言えると思います。
ひょっとすると、このあたりに雑誌とケータイの融合というか、幸せな関係性というのが隠されているのかもしれません。
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